ソールスターBLKⅡレビュー。KONTROL2から買い替えて感じた違い
約2年前、ソールスターKONTROL2のインプレ記事を書きました。
当時はSHIMANOのカスタムフィットインソールから、ソールスターKONTROL2へ交換しました。最初こそ、シューズとの一体感が少し減ったように感じ、正直これは自分には合わないのかもしれないとも思いました。しかし、数回使っていくうちに違和感は薄れ、パワーをかけたときの足の安定感や、高い出力を安定して出しやすい感覚がかなり気に入るようになりました。
そこから2年以上、ソールスターKONTROL2を使い続けました。
使用頻度は週6〜7回、雨天使用もあり、ロングライドや高強度練習にも使い、走行距離は34,000km以上です。さすがにここまで使うと、表面には指や母指球、かかとの跡がはっきり残り、かなりヘタった状態になっていました。
その後、新しいSHIMANO S-PHYRE RC903を購入したタイミングで、一度SHIMANOのカスタムフィットインソールに戻してみました。さすが自分の足型に合わせて成型しているインソールです。シューズとの一体感は非常に良く、足の収まりも自然でした。
ただ、実際に走ってみると、やはりソールスターとは違います。フィット感は良いものの、とくに高いパワーをかけたときの足裏の安定感や、支えられている感覚が少し物足りないように感じました。
ヘタったとしても、そこはやはりソールスターなのかもしれません。そう感じたことで、再びソールスターに戻してみようと考えました。
そこで悩んだのが、再びKONTROL2を買うのか、それとも上位モデルのBLKⅡにするのか、ということです。
そもそもソールスターとは?
本題に入る前にまずはソールスターのご紹介からです。
そもそもソールスターのインソールと言えば、「25人のサイクリストを対象に通常のインソールとソールスターインソールで短距離テストを行い、平均出力が6.9%上昇した」という結果も紹介されている、パワー伝達の向上を狙ったインソールとして、注目されている製品です。
ソールスターは、ロードバイク用インソールの中でも少し独特な存在です。
一般的なインソールは、足裏とシューズの隙間を埋めたり、フィット感を高めたり、足裏の当たりを整えたりするものが多いと思います。もちろんそれも重要ですが、ソールスターはそれだけではなく、ペダリング中の足を安定した位置に保つことをかなり強く狙ったインソールです。
かかと側と前足部の両方を支えることで、足の回内・回外方向の崩れを抑え、踏み込んだときに足がシューズの中でブレにくくなるように設計されています。また、中足骨指節関節付近を低くすることでペダル軸との距離を抑え、力の伝達効率を高めることも狙っています。
ソールスターでは、この一連の足裏支持構造を「スタビリゼーション・デルタ」と説明しています。
ただ、ソールスターが単なるクッション性や履き心地だけを狙ったインソールではなく、足裏の安定性やパワー伝達をかなり重視した製品であることは、この説明からもわかります。
実際に使ってみると、柔らかく足裏に馴染むインソールというより、足裏をしっかり支えて、足の位置を決めてくれるような印象があります。そのため、初めて使うと少し違和感が出ることもあります。私もKONTROL2を初めて使ったときは、シューズとの一体感が少し減ったように感じました。
しかし、慣れてくると印象は変わります。高出力で踏んだときに足が安定し、膝の軌道も落ち着きやすく、ペダルへ力を乗せやすい感覚があります。これが、私がソールスターを長く使い続けてきた大きな理由です。
KONTROL2ではなくBLKⅡを選んだ理由
正直なところ、KONTROL2に大きな不満があったわけではありません。もちろん、さすがに2年以上使い込んでヘタってしまった状態には不満もありましたが、インソールそのものとしてはかなり気に入っていました。
2年以上使い続けるぐらいですので、高出力時の安定感、膝の軌道の安定、ペダリング時のバネ感のようなものは、やはりソールスターならではだと感じています。
ただ、KONTROL2で唯一気になっていたことがあります。それは、表面が少し滑るように感じることです。
特に使い始めの頃は、シューズとの一体感という意味では、SHIMANOのカスタムフィットインソールのほうが上だと感じていました。KONTROL2は足裏を支える力は強いのですが、表面が比較的滑らかなため、シューズの中で足が少し動くような感覚がありました。これは以前のKONTROL2のインプレでも書いたことです。
もっとも、この感覚はシューズのサイズ感の影響もあるのかもしれません。私はそこまでピチピチのサイズ感のシューズが得意ではありません。ある程度余裕のあるサイズ感を好むため、そのぶんインソール表面の滑りやすさを感じやすかった可能性もあります。
もちろん、この若干滑る感覚も、慣れてしまえばそこまで気になるものではありません。実際、KONTROL2は2年以上使い続けましたし、ソールスターらしい足の安定感にはかなり満足していました。
ただ、せっかく買い替えるのであれば、KONTROL2をそのまま買い直すのではなく、BLKⅡを試してみたい気持ちがありました。ちょうど富士ヒル前ということもあり、もう完全に財布の紐は緩みまくっていたのかもしれません(笑)
KONTROL2とBLKⅡの違い
KONTROL2とBLKⅡの違いは、大きく分けると二つあると思います。
まず一つ目は、インソールの厚みです。
公式情報では、KONTROL2の前足部厚みは3mm、BLKⅡは2mmとされています。数字だけを見ると、たった1mmの違いです。しかし、ロードバイクシューズの中の1mmは意外と大きいです。
インソールが薄くなることで、シューズ内の空間の使い方が変わります。足裏とペダル軸との距離感、踏み面のダイレクト感、BOAを締めたときの甲側の圧迫感などにも影響が出ます。実際、BLKⅡのほうが足裏とペダルが近く、踏み面がよりはっきりするように感じました。
もう一つの大きな違いは、表面素材です。
KONTROL2の表面は比較的滑らかです。良く言えば、足が自然に収まりやすい素材です。逆に言えば、少し滑るように感じることがあります。私がKONTROL2を使い始めたころに感じていた不満は、まさにこの部分でした。
一方で、BLKⅡの表面は明らかにグリップ感があります。実際にシューズへ入れて履いてみると、表面が滑りづらいぶん、むしろ最初はシューズが少し履きづらいぐらいです。ソックスがよれないように注意しながら足を入れる必要があります。
ただ、シューズの中に足がきちんと収まってしまえば、この表面グリップはかなり大きなメリットになります。足裏がインソールの上で滑るような感覚が少なく、最初から安定感が高い印象でした。
これは、KONTROL2とのかなり大きな違いだと思います。
細かいところでは、重量差もあります。公式情報では、サイズ42でKONTROL2が117g、BLKⅡが98gとされています。差としては大きくありませんが、BLKⅡのほうが薄く、軽い作りになっています。

BLKⅡを実際に使ってみた印象
今回の組み合わせは、新しいSHIMANO S-PHYRE RC903にソールスターBLKⅡです。
新しいシューズに新しいインソールという組み合わせですので、最初は少し慎重に使い始めました。特にソールスターは、一般的なインソールとは足裏の支え方が違います。KONTROL2を長く使っていたとはいえ、BLKⅡは上位モデルですし、表面素材や厚みも異なります。
しかし実際に使ってみると、KONTROL2からBLKⅡへの移行であれば、思っていたよりも違和感は少ないように感じました。
懐かしい感じ
まず一踏み目、最初に足裏の出っ張りを感じました。これはソールスターらしい感覚です。KONTROL2を初めて使ったときにも感じた、土踏まずの前方あたりにある独特の支えです。
ただ、この感覚はすぐに気にならなくなりました。時間にすると10分ぐらいだったと思います。
初めてソールスターを使ったときは、慣れるまで1週間ぐらいかかった記憶があります。しかし今回は、KONTROL2からBLKⅡへの移行です。もともとソールスターの支え方に慣れていたこともあり、違和感はかなり少なかったです。
むしろ、懐かしい感覚が戻ってきたような印象でした。
BLKⅡの良いと感じたポイント
実際に走ってみると、BLKⅡの印象はかなり良かったです。まず表面のグリップの良さの影響か、足裏の安定感が非常に高く、KONTROL2でも感じていた足裏の支えが、よりはっきり出ているように感じました。
特に違いを感じたのは、高出力で踏んだときです。
パワーをかけたときにインソールがしっかりと働き、膝下が安定し、ペダルに対して力を乗せやすい感覚があります。KONTROL2でもこの安定感は感じていましたが、BLKⅡでは踏み面の薄さもあって、よりダイレクトに伝わってくる印象です。
そして、かなり印象的だったのが、バネのように踏める感覚でした。
ただ硬いだけではなく、足裏をしっかり受け止めてくれることで、踏み込んだ力が逃げにくくなります。高出力で踏んだときに足が安定しているからこそ、力をかけやすいように感じます。
もちろん、KONTROL2も良いインソールです。踏んだときのバネ感、膝の安定、足裏疲労の少なさは、KONTROL2でも十分に感じていました。ただ、私の好みとしては、BLKⅡのほうが確実に好きです。
理由は、表面グリップの良さと、踏み面の薄さから来るダイレクト感です。KONTROL2で少し気になっていた滑るような感覚が少なく、足裏がよりしっかりインソールに乗る印象があります。
ヘタったKONTROL2で失われていたもの
BLKⅡを使ってみて、あらためて感じたのは、これまで使っていたKONTROL2はかなりヘタっていたのだということです。
ヘタったKONTROL2でも、腐ってもソールスターというべきか、膝の安定感やパワーのかけやすさは残っていました。実際、SHIMANOのカスタムフィットインソールに戻してみると、シューズとの一体感は良くても、ペダリング時の安定感という意味では物足りなさを感じました。
しかし、BLKⅡを使うと、足裏の支え方が明らかに戻ってきます。土踏まずの前方にある出っ張りもしっかり感じますし、土踏まずを支える力もはっきりしています。今までのヘタったKONTROL2では、こういった部分がかなり潰れていたのだと思います。
これは、ソールスターがダメになったという話ではありません。むしろ、ソールスターが良かったからこそ、ヘタった後でもある程度使えてしまったのだと思います。だからこそ、新品に近い状態のBLKⅡへ変えたことで、本来の支え方や安定感の違いがよりはっきり感じられました。
もちろん、KONTROL2からBLKⅡへの変更なので、単純に「新品だから良い」というだけではなく、モデル自体の違いもあると思います。表面グリップの良さ、前足部の薄さ、踏み面のダイレクト感などは、BLKⅡならではの良さとしてかなり強く感じました。
今回のBLKⅡで、ソールスター本来の足の安定感と、BLKⅡならではのダイレクト感の両方をかなり強く感じることができました。
BOAは締め加減には注意
BLKⅡを使ってみて、注意が必要だと思ったのはBOAの締め具合です。
BLKⅡは足裏の支えが強く、表面のグリップ感もあります。そのため、KONTROL2やSHIMANOカスタムフィットインソールの感覚で強く締めすぎると、甲側に圧迫感が出やすいように感じました。
実際、最初はBOAをやや強く締めてしまい、少ししびれが出ました。そのため、走りながらBOAを緩める方向で調整しました。今でも走り始めてから微調整をすることはあります。
ただ、これはBLKⅡが合わないというより、BLKⅡ自体が足裏をしっかり支えてくれるため、アッパー側で無理に押さえ込む必要が少ないのだと思います。表面素材のグリップが良いこともあり、足を安定させるためにBOAを強く締める必要はそこまでないように感じました。
むしろ、少し余裕を持たせたぐらいのほうが足裏が自然に収まり、しびれも出にくい印象です。BLKⅡを使う場合は、最初から強く締め込むよりも、足裏の支えと表面グリップを活かしながら、必要最小限の締め具合を探したほうが良いと思います。

初めてのソールスターとしてはどうか
はっきり言ってソールスターのインソールは足に合えば非常に良い製品だと感じています。特にBLKⅡは個人的にもかなり良いインソールだと思います。
ただし、初めてソールスターを使う方に、いきなりBLKⅡを強くおすすめするかと言われると、少し慎重になります。
ソールスターは、一般的なカスタムフィット系やクッション系インソールとは考え方が違います。足裏にぴったり柔らかく馴染ませるというより、足を安定した位置へ導くような支え方をします。
そのため、初めて使うと、足裏の出っ張りや支え方に違和感が出る場合があります。KONTROL2を初めて使ったときの自分もそうでした。最初はシューズとの一体感が減ったように感じ、これは合わないかもしれないと思ったぐらいです。
数回使って慣れてくると印象はかなり変わりましたが、最初から万人に違和感なく受け入れられるインソールではないと思います。
その意味では、初めてソールスターを使うなら、KONTROL2から試すほうが無難かもしれません。
一方で、すでにKONTROL2を使っていて、その支え方が合っている方であれば、BLKⅡへの移行はかなり自然だと思います。
KONTROL2がヘタってきた方、KONTROL2の表面が少し滑るように感じる方、もう少しダイレクト感や足裏の安定感がほしい方には、BLKⅡはかなり良い選択肢になると思います。
富士ヒル本番でも使用
実際に、BLKⅡは購入して間もない状態でしたが、富士ヒル本番でも使用しました。
BLKⅡにしてから、たしか4回目ぐらいの使用だったと思います。通常であれば、インソールを変えてすぐに重要なレースへ投入することはあまりおすすめしません。特に、初めてソールスターを使う場合であれば、間違いなくおすすめしません。メーカー公式でも、十分な適応期間を取るように案内されています。
ただ、今回はもともとKONTROL2を2年以上使っており、ソールスターの支え方には慣れていました。BLKⅡを数回使った時点で違和感も少なく、高出力時の安定感も非常に良かったため、本番でも使うことにしました。
結果として、この判断は良かったと思います。
実際にほかのインソールと同条件で比較できるわけではありませんが、富士ヒルで無事に良い結果を出せたことには、こうした一つ一つのアイテムの積み重ねも少なからず関係していると思います。
まとめ
ソールスターのインソールは、個人的には非常に良いインソールだと感じています。
KONTROL2も、実際に2年以上使い続けるほど気に入っていました。かなりヘタった状態でも、ソールスターらしい足裏の安定感はある程度残っていたように思います。
そのうえで最上位モデルのBLKⅡを使ってみると、やはり違いはありました。KONTROL2よりも薄く、踏み面のダイレクト感があり、表面のグリップも良い。高出力時の足裏の安定感も非常に高く、私の好みとしてはBLKⅡのほうが合っていました。
特に良かったのは、KONTROL2で少し気になっていた滑るような感覚が少なかったことです。表面素材のグリップが良いため、BOAを必要以上に強く締めなくても足が安定しやすいように感じました。
一方で、初めてソールスターを使う方に、いきなりBLKⅡをおすすめするかと言われると少し慎重になります。ソールスター独特の足裏の支え方がありますし、BLKⅡはその支えやダイレクト感がより強く出る印象です。すでにKONTROL2を使っていて、その支え方が合っている方であれば、BLKⅡはかなり魅力的な選択肢だと思います。
また、ソールスターはシューズサイズと同じサイズを選べばよいわけではありません。シューズメーカーやモデルによって推奨サイズが異なるため、購入前には公式サイトのサイズ表を確認したほうがよいです。私の場合、SHIMANO RC903は42サイズですが、ソールスターは43サイズを使用しています。
今回、KONTROL2がヘタったことで一度はSHIMANOのカスタムフィットインソールへ戻しました。しかし、あらためて使い比べてみると、ソールスター系の足裏の安定感はやはり別物でした。
私自身、次に選ぶならKONTROL2ではなくBLKⅡです。価格はかなり高く、ここが最大のデメリットだと思います。それでも、表面グリップ、踏み面のダイレクト感、高出力時の安定感を考えると、かなり気に入りました。
なお、弊店でもソールスター製品のご注文・ご相談を承っております。サイズ選びやモデル選びでお悩みの場合も、お気軽にご相談ください。


