ゴールドを取れない理由
今年は念願かなって、富士ヒルでゴールドを獲得することができました。
しかし、それは私自身の力だけで掴んだものではないことは明白です。
実際、ここ数年はあと少しのところで富士ヒルのゴールドを逃してきました。
ただ、毎年弱くなっているわけではありません。変化がないわけでもありません。毎年さまざまな方法で練習を行い、トライアンドエラーを繰り返しながら、反省を活かして少しずつ成長はしていたはずです。
そして今年は、例年以上にしっかり準備をしてきました。
苦手なインターバルを取り入れ、冬場のベーストレーニングも十分に行いました。トレーニングデータもこれまで以上に管理し、数値上では過去一番良い状態まで仕上げることができたと思います。FTP、SST、テンポ走、ロングライドの内容を見ても、パワーは確実に上がっていました。
しかしです。
前回の記事にも書きましたが、満を持して臨んだ2026年一発目の富士ヒル試走では、まったくと言ってよいほど結果を出すことができませんでした。むしろタイムだけで見れば、過去一番遅いと言ってもよいくらいの結果でした。
もちろん、富士ヒルは簡単なコースではありません。長い時間登り続ける必要がありますし、標高も上がっていきます。平地のように脚を休められる場面も少なく、単純にパワーが高ければそのまま結果につながるものではないのだと思います。
ただ、それにしても結果としてはあまりにも不甲斐なく、パワーの落ち方も大きすぎると感じました。平地や鹿野山では出せるはずのパワーが、富士ヒルでは出ない。同じように心拍を使っているのに、パワーが戻ってこない。なぜなのか。
そこで今回は、鹿野山での登坂データと富士ヒルの試走データ、そして本番のデータを比べながら、富士ヒルでなぜパワーが出ないのかを考えてみることにしました。
可能性:登坂力不足
千葉の平地やアップダウンを含む区間では、1時間のSSTとして300Wに少し届かないくらいの出力を、かなり余裕を持ってこなせる状態になっていました。
それにもかかわらず、富士ヒル試走では平均270Wを下回る結果でした。
なぜ、ここまでパワーが出ないのか。
そこで最初に疑ったのは、登坂力そのものの不足です。
というのも、富士ヒル前の時点では、ほぼ登りの練習をしていなかったからです。普段の練習コースには多少のアップダウンはありますが、長い登りを練習で使うことはほとんどありません。これは山がない千葉の悩みでもあります。
この登りの練習不足によって、平地では出せるパワーが、登りになると出せていないのではないか。筋肉の使い方、フォーム、荷重のかけ方、ケイデンス、勾配変化への対応。そういった部分が、富士ヒルのような長い登りに合っていないのではないかと考えました。
登坂の練習不足を疑い、2026年最初の富士ヒル試走後に鹿野山へ行きました。
結果として、やはり登りでの苦手感はかなりありました。同じワット数を出そうとしても、平地より明らかにきつい。心拍も上がりやすい。脚の使い方もどこか噛み合っていない。
この時点では、やはり登坂力不足が大きな原因なのではないかと思っていました。
そこで、富士ヒル本番までの限られた期間で、できるだけ登りに体を慣らすことにしました。現実的に繰り返し通える鹿野山を使用し、湊や宝竜寺で登坂練習を行いました。
目的は、単にパワーを出すことではありません。平地で作ってきたパワーを、登りで使える形に変換することです。
鹿野山での練習の結果
前述のように、1本目、2本目の頃は、やはり登りの苦手感がありました。まだぎこちなさもあり、平地と同じようにはパワーを出せていなかったと思います。
しかし、数をこなすうちに、登りでどう体を使えばよいのかが少しずつ噛み合ってきました。10本を超える頃には、登りでも安定してパワーを出せるようになってきた感覚がありました。最終的には、初回の富士ヒル試走以降で16本、登りの練習を行いました。
実際のデータを見ても、鹿野山での登坂は右肩上がりにパワーが上がり、内容も安定してきました。15分前後の登坂を300W台で複数本こなし、しかも最後まで完全に出し切るような強度ではなく、ある程度余裕を残して走れるようになっていました。
また、10分前後の登りTTでは、複数回にわたり340W以上の出力も出せました。
千葉の登りであれば、このくらいの出力は普通に出せるようになってきていました。
ここで少なくとも分かったのは、自分は完全に登坂に弱い「登れない人間」ではないということです。複数回の登坂練習を繰り返したことで、少なくとも登りでまったくパワーが出ない状態ではなくなっていました。
つまり、鹿野山で登坂練習を重ねることで、登りへの適応は確実に上がってきていたと思います。
この状態、つまり登りへの適応をある程度高めた状態で富士ヒルを走れば、結果は変わるのではないか。そう期待しつつ、再度チャレンジしてみることにしました。
しかし、これで結果が出なかったらどうなるのか。
その不安もありました。

満を持しての2回目の試走
やれるだけのことはやりました。
初回の富士ヒル試走後、鹿野山で合計16本の登坂練習を行い、登りへの苦手感もかなり薄れてきました。鹿野山では15分前後の登坂を300W台で複数本こなせるようになり、10分前後の登りTTでも340W以上を出せるようになっていました。
この状態で富士ヒルを走れば、さすがに前回よりは良くなるのではないか。
そう期待して、再び富士ヒルを試走しました。
しかし結果は、残念ながら散々なものでした。前回は平均270Wを下回るパワーにもかかわらず、千葉では見たことがないような高い心拍数でした。そして今回も、タイムは大きく改善しませんでした。
ここまで来ると、富士ヒルでパワーが出ない理由を、単純な登坂力不足だけで説明するのは難しくなってきました。
千葉の平地だけではなく、鹿野山の登りでもパワーは出ています。それなのに、富士ヒルのスバルラインでは、標高によるパワー低下を考慮しても、同じような感覚でパワーを出すことができません。
ここから、もうひとつの原因を考える必要が出てきました。
可能性:高地(低酸素状態)によるパワー低下の影響
次に考えたのが、高地によるパワー低下です。
もちろん、標高が上がればパワーが落ちること自体は分かっています。富士ヒルはスタート地点の時点ですでに標高が高く、ゴールに向かってさらに標高が上がっていきます。酸素が薄くなる以上、平地と同じパワーを出すことが難しくなるのは当然です。
一般的な目安として、300Wを基準に考えると、標高によるパワー低下はこのようになります。
| 場所 | 標高の目安 | パワー低下の目安 | 300W換算 |
|---|---|---|---|
| 富士ヒル スタート付近 | 約1200m | 約6%低下 | 約282W |
| 富士ヒル ゴール付近 | 約2300m | 約15%低下 | 約255W |
つまり、平地で300Wを出せるとしても、富士ヒルではスタート付近で280W台、ゴール付近では250W台まで落ちる可能性があります。
また、コース全体の平均として考えると、千葉で300Wを出せるとしても、富士ヒルの標高では270W前後まで落ちても不思議ではありません。
ただ、自分の場合は、それでも落ち方が大きすぎるように感じました。
試走と鹿野山のパワーを比べてみます。
| 比較 | 富士ヒル試走 | 鹿野山 | パワー差 | 低下率 |
|---|---|---|---|---|
| 序盤15分付近 | 278W / 175bpm | 307W / 175bpm | -29W | 約9.4%低下 |
| 終盤15分付近 | 256W / 180bpm | 319W / 179bpm | -63W | 約19.7%低下 |
特に分かりやすいのが、心拍数がほぼ同じ条件で比較した場合です。
富士ヒル試走の序盤15分付近では、278W/175bpmでした。
それに対して、同じく175bpmだった鹿野山の3本目では、307W出せています。富士ヒル試走ではスタート直後で脚はまだフレッシュな状態でしたが、それでも差は29W、約9.4%の低下です。鹿野山ではある程度疲労した状態でも300W台の登坂ができていたのに対して、富士ヒルでは登坂開始直後のまだフレッシュな状態でも、約10%近いパワー低下が見られたことです。
さらに、富士ヒル試走の終盤15分では、256W/180bpmでした。
一方で、鹿野山の4本目では319W/179bpmでした。心拍はほぼ同等にもかかわらず、パワー差は63W、約19.7%の低下です。
つまり、同じように心拍だとしても、富士ヒルという高地の環境下ではパワーの低下が通常よりも大きく、特に標高が上がった終盤では、その差が更に大きくなっていたことが分かります。
もちろん、富士ヒルは連続登坂であり、鹿野山のような短い登坂の繰り返しとは条件が異なります。
それでも、千葉の平地ではSST強度として1時間近く300W少し下ぐらいであれば維持できています。そのときの心拍は閾値以下に収まっています。それに対して富士ヒルでは、より低いパワーにもかかわらず心拍は高く、標高が上がるほどさらにパワーが落ちていきました。
この落ち方は、一般的な高地によるパワー低下を考慮しても、自分にとってはかなり大きいものだと感じました。
この結果は、単純な登坂力不足だけでは説明しにくいものです。もし登坂力そのものが足りないだけなら、鹿野山でも同じようにパワーが出ないはずです。しかし実際には、鹿野山では出せるようになっていました。
この差を考えると、問題は「登りでパワーが出ないこと」だけではなく、「富士ヒルの標高環境でパワーが大きく落ちること」にあるのではないかと思うようになりました。

AIに推測できる原因を聞いてみた
データは取れました。
ただ、自分のデータだけを見ていても、なぜここまで富士ヒルでパワーが落ちるのかは分かりません。
こういったデータの分析はAIの得意分野でもありますので、AIにライドログのデータを読み込ませ、関連する運動生理学的な知見も踏まえながら、考えられる要因を探ってもらいました。
とはいっても、もちろん分析に使ったデータはライドログのみです。血中酸素飽和度を測っていたわけでもありませんし、呼吸量を測っていたわけでもありません。運動生理学的な検査を受けたわけでもありません。
そのため、ここから先はあくまでも実走データから考えられる推測の域の話です。
ともあれ、いくつか考えられる可能性が出てきました。
その中でも、今回の自分のデータと照らし合わせて特に気になったのは、高出力化による酸素需要の増加、低酸素換気応答の個人差、そして遺伝的・体質的な高地適応差の3つです。
高出力化による酸素需要の増加
AIの回答でまず納得感があったのが、平地で強くなったこと自体が、富士ヒルでは別の問題として出る可能性がある、という話です。
平地での有酸素出力が向上すると、同じ相対強度であっても絶対的な酸素需要は増加する。
低地ではその酸素需要を満たせていても、中等度以上の標高環境では酸素供給能力が制限され、向上した平地出力をそのまま高地で再現できない場合がある。
その結果、低地でのFTP向上が高地でのパフォーマンス向上に直結しないことがある。
今年は、平地でのパワーが確実に上がっていました。
数値だけで見れば、過去一番良い状態まで仕上がっていたと思います。
しかし、パワーが上がるということは、そのぶん必要な酸素量も増えるということです。
千葉の平地や鹿野山のような環境では、その高いパワーを出せます。
しかし、富士ヒルのように標高が上がる環境では、パワーを出すのに必要な酸素量に対して、取り込める酸素量が追いつかなくなっている可能性があるということです。
もっと簡単に書くならば、高いパワーを出せるようになったぶん、その出力を支えるために必要な酸素量も増えます。そのため、酸素が少ない環境下では、酸素の取り込みが追いつかなくなる可能性がある、ということです。
これが、今回かなり強く感じたことです。
そして、富士ヒルだけを見たときに、もうひとつ気になることがあります。それは、富士ヒルで出せるパワーはここ何年もほとんど上がっていないということです。
これが自分でも不思議でしたし、データを並べるとまったく笑えないくらい辛いことでした。
AIの回答にあった「低地でのFTP向上が高地でのパフォーマンス向上に直結しないことがある」という話は、まさにこの現象に近いのかもしれません。
低地で練習仕上げたパワーは、富士ヒルの標高環境ではそのまま使えない。このズレこそが、自分が富士ヒルで長く苦しんできた一番大きな理由なのかもしれません。
低酸素換気応答の個人差
次に気になったのが、低酸素換気応答の個人差です。
標高上昇により吸気酸素分圧が低下すると、身体は換気量を増加させることで動脈血酸素飽和度を維持しようとする。
しかし、この低酸素換気応答には個人差があり、十分に換気量を増やせない場合、同じ心拍数であっても筋活動に必要な酸素供給が不足し、外部出力が低下する可能性がある。
難しく書くとこのような話になりますが、簡単に言えば、酸素が薄くなったときに呼吸で対応する力には個人差がある、ということのようです。
標高が上がると酸素が薄くなります。
そのとき身体は、呼吸を増やして酸素を取り込もうとします。
酸素が薄くなったときに、自然と呼吸を大きく、速く増やせる人は、血液中の酸素をある程度保ちやすい可能性があります。
一方で、この反応が弱い人は、必要な分だけ呼吸を増やしきれず、心拍は上がっているのにパワーが出ない状態になりやすい可能性があります。
これは、実際の体感としても少し思い当たるところがありました。
富士ヒルを走っていると、周りの選手はかなり激しく呼吸をしているように感じることがあります。もちろん、自分も呼吸は速くなっていますし、決して楽なわけではありません。
しかし、それでも周りの選手ほど呼吸が大きく荒れている感じではないように思うことがありました。
この状態を考えると、心臓はしっかり頑張って血液を回しているのに、酸素が薄い環境では、実際に筋肉で使える酸素量が足りなくなっていた可能性があります。
つまり、心拍は上がっているけれども、呼吸による酸素の取り込みが追いついていない。
その結果、パワーが出せない状態になっている。
そう考えると、富士ヒルで感じていた「苦しいのに踏めない」「追い込みたいのに出力が戻らない」という感覚にも、かなり近いように思いました。
遺伝的・体質的な高地適応差
最後に、少し悲しい話ですが、高地への強さには体質的な差がある可能性もあるようです。
高地環境に対する反応には大きな個人差がある。
換気応答、酸素飽和度の維持能力、ヘモグロビン量、血流配分、筋での酸素利用能力などは個人差が大きく、遺伝的要因の影響も受ける可能性がある。
そのため、低地で高い有酸素能力を示す選手であっても、高地環境で同じ割合のパフォーマンスを維持できるとは限らない。
どれだけトレーニングしても、標高が上がったときにパワーが落ちやすい人、落ちにくい人がいるようです。
もしそうだとすれば、自分は残念ながら、富士ヒルのような標高環境でパワーが落ちやすい側に当てはまってしまっているのかもしれません。
専門的な検査をしたわけでもありません。ただ、鹿野山では出せるパワーが、富士ヒルでは同じ心拍でも出せない。しかも標高が上がるほど、その差が一般的に言われている低下率よりも大きくなっていきます。
この現象を考えると、単なる気合いや根性、登坂力不足だけの問題ではなく、低酸素環境で出力を維持する能力が、自分にとって大きなボトルネックになっている可能性は高いのではないかと思いました。
正直、これはかなり残念な現実です。
平地で強くなれば、富士ヒルでもそのまま速くなり、登りの練習をすれば、富士ヒルでもパワーが戻るはずだと考えていました。
しかし自分の場合は、そこに富士ヒルの標高という大きな壁があるのかもしれません。
富士ヒル本番のデータ
富士ヒル本番のデータを見ても、やはり同じ結果でパワーと心拍のズレは大きいです。
公式記録は64分25秒。
平均パワーは257Wでした。
この数字だけを見ると、普段の自分のトレーニング内容から考えて、決して高いパワーではありません。むしろ、自分でも驚くほど低い数字です。260W前後であれば、本来であれば心拍は閾値以下に収まり、2時間以上持続できるテンポ域のパワーです。
しかし、心拍を見ると、その異常さはさらに際立ちます。
富士ヒル本番の平均心拍は183bpmでした。
ちなみに、私の現在のLTHR、乳酸閾値心拍数は180bpm前後です。
※これも血液検査などで測定したものではなく、あくまでもライドデータからの推定値です。
ただ、SSTや登坂練習でも、180bpmを超えてくるとかなりしんどくなってきます。ですので基本的には、登坂でもできるだけ180bpmを超えないようにしていました。超えたとしても、短い時間に限るような使い方をしていた心拍数です。前述のように、鹿野山の最後の1本でも平均179bpmで319Wでした。
では富士ヒルはと言うと、データ上では閾値であるその180bpmを超える、183bpmで1時間以上走っていました。
通常、LTHRを超える強度を1時間以上続けるというのは、かなり厳しいことです。もちろん、心拍数と実際の代謝強度は完全に一致するわけではありません。高地、緊張、心拍ドリフト、レース特有の負荷などによって、心拍だけが高く出ることもあります。
それでも、平均257Wという低めのパワーに対して、平均心拍183bpmという数字は、レースのきつさを物語るには十分な数値だと思います。
はっきり言って、あの強度の走行はもうしばらくごめんだな、今でもそう思っています。
つまり、パワーが出ていないのに、身体の中では限界に近い。むしろ、限界を超えているような状態だったということです。
死ぬほど頑張っているのに、パワーが出ない。
富士ヒル本番で感じた苦しさは、まさにこれでした。
この差を見ると、やはり自分の場合は、富士ヒルの標高環境から受ける影響がかなり大きいのだと思います。
まとめ:富士ヒルでパワーが出ないという現実
富士ヒルでFTPを更新した、という話を見聞きすることがあります。
正直、私の場合は絶対に無理です。
完全に言い切れます。
絶対に無理です。
AIに対策を聞いてみると、「事前に2週間ほど高地に滞在して順応する」といった、なかなか現実的ではない答えも返ってきます。
できるものならやってみたいです。
ただ、現実にはそう簡単ではありません。
仕事もありますし、生活もあります。富士ヒルのためだけに2週間高地へ滞在するというのは、少なくとも今の自分には現実的ではありません。
私の場合、少なくともスタート付近で約10%、終盤では約20%近くパワーが落ちていました。
では、富士ヒル終盤でも300Wで登れるようにするには、低地ではどのくらいの出力が必要なのか。
単純計算では、20%低下すると仮定した場合、、、
推定370W級です。m9( ゚Д゚) ドーン!
マジかよ。。。
ここまでくると、低酸素マシンを買うほうがよほど現実的かもしれません。
あとは、戦い方です。
今年、最終的にゴールドを獲得できたのは、自分の単独走力だけではありません。良いトレインに恵まれ、ローテに入り、集団の力を借り、最後まで粘ることができたからです。
一人で走っていたら、絶対に届かなかったと思います。
だからこそ、今回の富士ヒルで分かったことは大きいです。
私の場合、富士ヒルで速く走るためには、
・単純にFTPを上げるだけでは足りない。
・登坂力を上げるだけでも足りない。
・高地でパワーが落ちる前提で、どう走るかを考えなければいけない。
富士ヒルで純粋なパワー勝負をするのは、私にはかなり厳しそうです。
少なくとも自分にとって富士ヒルは、自分の弱点を理解し、その弱点を抱えたまま、どうやってゴールまでたどり着くかを考えるレースでした。
しかし、その現実を知ったうえで走ったからこそ、今年はゴールドに届いたのだと思います。
そして何より、目の前にあるチャンスを何が何でも逃さない覚悟と、最後まで絶対に諦めない強い気持ち。
富士ヒルでパワーが出ない理由を考え続けたことは、決して無駄ではありませんでした。
むしろ、自分の弱点を知ることができたからこそ、今年の64分25秒につながったのだと思います。


