ロードバイク用ソックスは、一見すると軽視されがちなアイテムかもしれません。
しかし私は、シューズやインソールと同じように、ソックスも非常に重要な部分だと考えています。
ソックスは、シューズとの一体感、足裏の感覚、快適性など、走行中のストレスに大きく関わるアイテムです。
それだけではなく、脚からの入力をペダルへ伝えるまでの間に入るものでもあります。
流れとしては、
脚 → ソックス → インソール → シューズ → ペダル
という順番です。
この間にできるだけロスがすくないないほうが、良いように感じています。
反対に、シューズ内でインソールがズレたり、ソックスがよれたりするような場合は、ペダリング時の安定感や入力感、パワー伝達に悪影響が出ることも考えられ、好ましくはないと感じています。
つまりソックスは、ただの快適用品ではなく、足元の感覚やシューズとの一体感に関わる重要なライドギアの一つです。
そんなソックスですが、最近はエアロソックスもかなり増えています。
空力性能を考えれば、エアロソックスには確かに魅力があります。
しかし今回は、あえて通常タイプの高性能ソックスである R×L 310R を選び使ってみました。
正式名称はかなり長く、
310R バイク レーシング グリップ ソックス(ラウンド) BKS1005
です。
記事内では分かりやすく「310R」として紹介します。
今回は、以前使用していた旧モデル300Rとの比較、現行モデル310Rの特徴、実際にSHIMANO RC903と組み合わせて使ってみた感想、そしてエアロソックスではなく310Rを選んだ理由についてまとめます。
旧モデル300Rの驚くべき耐久性
まず、現行モデル310Rの前に、旧モデルの300Rについてです。
実はこの旧型300Rは、毎日のように使い続けていたわけではないものの、つい先日まで普通に使用していました。
主な用途は、室内での練習や、雨の日・ウェットコンディションでの使用です。
シューズカバーの下に履くことが多く、雨天走行やひどいウェット路面でシューズ内に水が入ってしまうような状況でも、水を含んで重くなりづらく、濡れても質感が大きく変わりにくいところが気に入っていました。
また、汚れが目立ちにくい黒だったことも、泥水を浴びることもある雨用として使いやすかった理由の一つです。
そんな今でも現役で使えていたR×Lの旧型300Rですが、購入したのは2020年8月でした。
もうすぐ6年になります。ロードバイク用ソックスとしては、かなり長く使えた印象です。
さすがに6年近く使っているため、生地は伸びてきました。
新品時のようなビシッとしたフィット感はなくなり、足首まわりや全体のホールド感も緩くなっています。
しかし驚くべきは、破れがないことです。
ロードバイク用ソックスは、特に雨の日やウェットコンディションで使っているものは、ソックスにとっても決して優しい環境ではありません。濡れた状態では脱ぐときにも引っ張る力がかかりやすく、生地や縫製にも負担がかかります。
それを考えると、旧型300Rの耐久性はかなり優秀だったと思います。
購入当時の価格は税込1,880円でした。
この価格だけを見ると、ソックスとして極端に安いわけではありません。
しかし、6年近く使えて、なおかつ破れもないという耐久性を考えると、価格に対する納得感はかなり高いです。
現行モデル310Rの進化
続いて、現行モデルの310Rについてです。
310Rは、R×LのBIKEソックスにおけるフラッグシップモデルだった300Rの後継モデルとして登場したソックスです。
公式情報では、モデルチェンジの課題として、よりレーシーな履き心地、ビジュアル、そして環境負荷低減が挙げられています。主素材にはリサイクルポリエステルと綿を混紡した糸が使われており、従来よりもレーシーなソックス作りを目指したモデルとされています。
現行モデル310Rの特徴として、分かりやすいのは以下の点です。
生地が薄くなり、ダイレクト感を重視
310Rでは、従来モデルよりも生地が薄くなっています。
公式情報では、生地が薄くなることで、足の力がペダルによりダイレクトに伝わることを狙った設計とされています。
厚手でクッション性を前面に出したソックスというよりも、ロードバイク用のレーシングソックスとして、足裏の感覚やペダリング時のダイレクト感を重視した方向性と考えられます。
丈が従来モデルより2cm長くなった
もう一つ分かりやすい変更点が、丈の長さです。
公式情報では、310Rは従来モデルよりも丈を2cm長くしたと案内されています。
近年のロードバイク用ソックスは、以前よりも少し長めのものが増えています。
310Rもその流れに近い、現代的な丈感になった印象です。
つま先補強、ヒール構造、つなぎ目のフラット加工
そのほかの特徴として、公式情報ではつま先補強、立体的なヒール構造、つま先と甲のつなぎ目部分のフラット加工、滑り止めなどが挙げられています。
生地が薄くなった分、つま先部分には強度を高めるナイロンを使用し、破れへの対策もされているようです。
また、踵部分は立体的な構造になっており、ズレのリスクを減らすことを狙った設計とされています。つま先と甲のつなぎ目部分もフラットになる編み方が採用されており、着用時のストレスを減らす工夫がされています。
メーカー説明をまとめると、310Rは旧型300Rの良さを引き継ぎつつ、より薄手でレーシーな履き心地に寄せ、丈も少し長くなった現行モデルという位置づけです。
では、実際に履いてみると、そして走ってみるとどうだったのか。
次は、SHIMANO RC903と組み合わせて使用した感想です。

R×L 310R インプレッション!
今回導入したのは、310Rのブラック、Mサイズです。
シューズはSHIMANO RC903、インソールはソールスターBLKを使用しています。
まだ使用し始めて日が浅いため、今回は初期インプレとしての感想になります。
履いてみた感想
まず履いてすぐに感じるのは、フィット感の良さです。
年単位で使い、フィット感の落ちた旧型300Rと比べること自体、正しい比較ではないかもしれません。
それでも、現行モデルの310Rはかなりビシッとしています。足首、甲、土踏まず周辺がきれいに収まり、ソックスが余っているような感覚がありません。
かといって、きつすぎることもありません。
緩すぎず、締めつけすぎず、履き心地はかなり良いです。
厚みとしては薄手寄りです。ただ、薄手とはいってもペラペラで頼りない感じではありません。
極薄のソックスよりはわずかに厚みがありますが、嫌な厚みではありません。クッション性を強く感じるタイプではなく、どちらかといえば足裏の感覚が分かりやすい、ダイレクト感よりのソックスという印象です。
旧モデルよりも薄くなったということですが、足部の厚みについては「少し薄くなったかな」と感じるぐらいの差でした。
一方で、履き口・カフ部分の厚みはかなり薄くなったように感じます。
また、旧型300Rよりも丈が少し長くなっているため、見た目も今風です。
極端に長いわけではありませんが、現在のロードバイク用ソックスとしては自然な丈感で、個人的にはかなり好みのバランスです。
実際に使ってみた感想
BOAを締めても、足部の厚みは薄すぎることも、逆に厚すぎることもなく、ちょうど良いと感じました。
実際にペダリングをしてみても、シューズ内で足が動くような感覚はなく、RC903との一体感は良好です。
走行中にパワーをかけても、ソックスがヨレたり、足首まわりに余りが出たりすることはありませんでした。
また、ずり落ちることもなく、走っている最中にソックスの存在が気になる場面はありませんでした。
一方で、足裏の滑り止めについては、そこまで強い存在感は感じませんでした。
これは、使用しているインソールがソールスターのブラックで、もともと表面が滑りにくい素材であることも影響していると思います。
そのため、310Rの滑り止めだけで劇的に変わったという感じはありませんでした。
逆に、インソール表面が滑りやすい素材の場合は、310Rのグリップの良さがメリットとして分かりやすく出るのではないかと思います。
そして今回一番良いと感じたのは、何か特定の良さがものすごく際立つというより、とにかく不満がないことです。
例えば、徐々にソックスがずり落ちてくる、シューズの中でヨレる、足首まわりのフィット感が足りない、特定の場所が擦れる・当たるなど、走行中に気になることがまるでありませんでした。
ソックスとして、これはかなり大事なことだと思います。
派手な機能や分かりやすい変化がある製品ではないかもしれません。
しかし実際に走るうえでは、使っている最中に存在を忘れられるぐらい自然で、不満が出ないことは大きな性能です。
エアロソックスではなく310Rを選んだ理由
最近は、ロードバイク用ソックスでもエアロソックスがかなり増えています。
メーカー公表値だけではなく、第三者によるテスト結果などを見ても、空力性能を考えればエアロソックスには確かに魅力があります。
ただ、今回あえてエアロソックスではなく、通常タイプの310Rを選んだ理由があります。
通常のソックスは、シャツやウインドブレーカーのような生地を縫い合わせて作るものではなく、基本的には編み物として作られているとのことでした。
これは、足の形が複雑で、さらに脱ぎ履きのしやすさや履いたときのフィット感を考えると、伸縮性や足への追従性が重要になるためだと思います。
一方で、最近よく見かけるエアロソックスは、足部が通常のソックスに近い編地で、足首からすね側が空力を意識した別素材の生地になっている構造のものが多いです。
この構造自体は、エアロ効果を狙ううえでは理にかなっていると思います。
しかし、足部の編地と、すね側のエアロ系生地では、伸縮性が異なる場合があります。
そのため私の場合、実際のペダリング時の動きで、足首の一番細い部分にわずかなダボつきが出てしまうものもありました。
このダボつきがあると、走行中にシワが寄ったり、高速域でバタつくように感じることがあります。
こうなってしまうと、せっかくのエアロ効果にも少し疑問が残ってしまいます。
また、足部の編地とすね側の生地の境目に段差があり、その部分で靴擦れが起こったこともありました。
もちろん、すべてのエアロソックスが悪いわけではありません。
製品によって完成度は違いますし、足型やシューズとの相性もあります。
ただ、個人的にはまだ改善の余地があると感じています。
どれだけ風洞実験で良い結果が出ていたとしても、実際のペダリング時にバタつきが出たり、擦れや違和感があったりすると、使用頻度は下がってしまいます。
その点、310Rのような通常タイプの高性能ソックスは、実際に使ってみると余計な違和感が少なく、非常に扱いやすいと感じました。
このあたりは、さすが長くソックスを作っているR×Lらしい部分だと思います。
エアロソックス全盛の時代ではありますが、結局こういう何も不満が出にくいソックスが一番使いやすい。
今回310Rを使って、あらためてそう感じました。
まとめ
今回、R×L 310Rを旧モデル300Rから約6年ぶりに使用してみました。
久しぶりの新品R×Lソックスは、まだ使い始めたばかりではありますが、今のところかなり良好です。
旧モデル300Rの印象が良かったこともあり、現行モデルにも期待していましたが、その期待を裏切らない仕上がりだと感じました。
ただし、ソックスは使い込んでから見えてくる部分も多いアイテムです。
旧モデルのような耐久性があるのか。
フィット感の低下はどの程度なのか。
毛羽立ちや毛玉は出づらいのか。
このあたりは、今後も実際に使いながら確認していきたいと思います。
R×L 310Rの価格は税込2,420円です。
ソックスとして見ると、少々高く感じる方もいるかもしれません。
最近では、サイクル用を謳う比較的安価なソックスも多く見られるからです。
しかし実際にそういったソックスを試してみると、もちろん中には良いものもありますが、丈が短かったり、伸びるのが早かったり、ずり落ちやすかったり、左右でフィット感に差があったりと、細かな部分が気になることもありました。
そういった経験を踏まえると、価格は少々高めでも安心して選びやすいものには価値があると感じます。
やはり、良いものは良いのだと思います。
エアロソックス全盛の時代だからこそ、通常タイプの高性能ソックスの良さをあらためて感じる機会になりました。
ということで今回は、R×L 310Rの初期インプレッションでした。
公式商品ページ
R×L 310R バイク レーシング グリップ ソックス(ラウンド)BKS1005
R×Lの現行バイク用レーシングソックス「310R」の公式商品ページです。サイズ、カラー、素材、商品特徴などはこちらから確認できます。
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